Terrasol’s EYE

No.5 樹の上で熟した果実は美味しい!

2017/07/11

1年ごと、3年ごと、と転職を繰り返す方の書類を目にすることがあります。

なかには入社した会社の諸事情によって、じっくり腰を据えて仕事ができない方もいらっしゃるでしょう。ですから一概に勤務年数だけでは判断できませんが、できればどこかで一定期間、ご自身のキャリアを熟成させてみることをお勧めします。

その熟成期間には成功事例だけではなく、数多くの失敗もぜひ経験していただきたいものです。その際、なぜ失敗したかを分析・把握し、そしてそれを克服するためにどう努力・工夫をしてきたか、失敗から学んだ成長の軌跡が見えるような意識で、経験を積んでいかれるのが理想的かと思います。

勤めるなかで、必ずしも希望どおりの配属にならない、適性と異なる不得意な職種を経験する、潤沢な予算のある部署から予算の乏しい部署に異動する、などの厳しい状況に遭遇することがあるかもしれません。まさに逆境に置かれ、呆然とすることもあるでしょう。

しかしそんな逆境や失敗が、成長のきっかけになることが多々あります。意外な異動をしたことから、それまでの仕事からは思いもよらない人脈を得、自ら学ぼうと努力をすることで、自身のキャリアをさらに太く頑丈なものに導いていく場合もあります。

 

先日、30代後半の方が5年以上のマーケティング経験を有する業界から離れてキャリアアップしたいとさまざまな業界に応募し、最後の最後で不採用ということが重なり、自信を失い相談に来られました。経験のある業界と新たに挑戦したい業界の違いを学習せず、企業名とポジションに魅かれ活動されていたようです。今後はご自分のキャリアの棚卸しをして“強み=売り”をもう一度意識し、結果を残す仕事をしたうえで転職を考えると仕切り直しを決意されました。まさにこれが熟す時を待つ作業といえます。

また、40代半ばの方は高級消費財業界で店舗スタッフからスタートし、英語を勉強しながらその力を活かし一つずつ仕事の幅を広げ、数回の転職の後に重要な新設ポジションに請われて転職されていきました。その時どきの環境や業務を自らの肥やしにして、時とともに着実に成長・変化を遂げてこられた好例でしょう。

 

樹の上で熟した果実は美味しく、高値で買われていきます。

人のキャリアも、ある一定の場所でしっかりと太く熟成させ、自らもその成長を認め、また第三者にも評価されるのがベストかと思います。


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